営業強化

"顧客ランク分け”を行って法人営業の効率を高める方法

LINEで送る
Pocket

営業の効率化を図るための大切なことの一つに、顧客をランク分けするということが挙げられます。
顧客をランク分けすることで、営業しやすくなり、話をスムーズにすすめることもできます。
基本的に、このようなランク分けをしないでいると、営業マンは会社として訪問するべき顧客ではなく、行きやすい先に訪問することになります。

訪問件数は十分に上がっているのに、どうも売上が上がらない、成果が出ない、キャンペーン施策がヒットしない、という営業担当者やマネージャーの方はぜひ参考にしてみてください。 文:WAWAワーク編集部 井上

WaWaFrontier

顧客をランク分けする5つの指標

①企業規模

年商や従業員数など、会社のホームページなどに公表されていたり、企業年鑑などから調べられる情報を集計します。一般的に企業規模が大きい顧客ほど、予算額も大きいでしょう。企業規模によって、提案する商材が変わってくる場合もあるでしょう。

②年間予算

自社商材に対する、その会社が確保しているだろう予算です。担当者から予算を教えてもらえる場合もあるでしょうし、予算を把握できていない場合は、過去の状況や企業規模などを踏まえて、想定で格付けします。

③これまでの取引実績

自社商品をこれまで、いくら購入してくれているかの売上金額を計算します。販売管理システムなどから抜き出せる場合はスムーズです。自社商材が多岐にわたっている場合は、その会社にどの自社のどの部門の商材が導入されているかを調べるのも良いでしょう。ほとんどの商材を導入してくれている顧客とは関連度が高く、自社に対して良いイメージを持っていると言えますが、今後の取引余地が小さいとも言えます。また1つの商材しか導入していない顧客とは、まだまだ取引の余地があると言えます。

④直近の取引時期

その会社との最終取引がいつであったかです。先月も仕事をいただいたのか、再度の取引が半年前か、あるいは5年以上取引がない状態なのかを調べておきます。商材によっては、すぐ再販できないものもあると思いますが、しばらく取引がない状態よりは、最近に仕事をいただいている会社の方が取引がスムーズに進むと言えます。

⑤コネクション度

ずばり、顧客の経営層と、自社の経営層とのコネクションがどれくらいあるかです。上層部同士がつながりがあることは商談において、大きな一助となります。企業規模にもよりますが、コネクション度が高いほど、商談が有利になる場合が多くあります。

ランク分けによる効率的な営業方法

上記の、①②③は、今後、その顧客へ入り込める「余地」に関するものです。
④⑤はこれまでのその顧客との「実績」「関係性」に関するものです。③は共通項となるかもしれません。

これらの指標でランク分けをして、顧客を分類するとざっくりと以下の4つのタイプに分類できます。
これを顧客ランクとして考えます。

A:「取引実績もあり拡大余地もある顧客」
B:「取引実績はないが拡大余地のある顧客」
C:「取引実績はあるが、拡大余地のない顧客」
D:「どちらもない顧客」

そうして、ランクごとに戦略を考えてみましょう。例えば下記のように考えることができます。

Aの顧客は、営業担当者にとって訪問しやすい先であることから、訪問件数が多くなっている場合があります。もちろん成果もついてくることが多いので、問題ないかもしれませんが、人事異動などで関係が崩れる可能性もあります。一歩踏み込んで、上司同士や、経営者同士のつながりを強化しておくことがベターです。

Bの顧客は、会社として一番訪問するべき顧客です。この顧客に対して、どういうアプローチをしているかは、しっかりと管理しておく必要があります。例えば、先方担当者を聞き出すことが出来たその先は、ベテラン営業担当者と同行し、ガッチリと顧客に踏み込んでいきましょう。

Cの顧客は、残念ながら拡大余地がないという判断ですが、実績がある分、アフターフォローやサポートが必要になる場合があります。なるべく省エネルギーでサポートが出来るよう、お客様から言われる前に先手を打った行動が必要になるでしょう。

Dの顧客に対しては、一番優先順位が低くなるのが分かるでしょう。ベテランエース級の営業担当者がいきなり飛び込み営業をするには労力とコストがかかりすぎてしまうため、まずは、展示会やセミナーへの誘導、DMやメルマガでの顧客接点を持つようにしましょう。

売上も上げて、顧客満足度も高める

「ランク分け」と表現すると、お客さんを差別をしているようで気が引けると思う人もいるかもしれませんが、限られた時間で、限られた人員で成果を出すためには、顧客をしっかりと分析し、規模や関連度毎にランク分けを行うことは必要です。

このランク分けを行うことで、ランクごとに行うべき施策や戦略が明確になり、その成果を分析することも行いやすくなります。全ての顧客に対して、画一的な施策を提供することは効率が悪いだけでなく、顧客の満足度を高めることにもなりません。

またこのランク分けは、実績や関係性が蓄積されるに従って、定期的に見直しよりよい戦略で活動を行うことが大切です。


WaWaFrontier

この記事が気に入ったら
いいね!しよう