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新人がすぐに辞めてしまう。 離職防止にできることは?

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学生達の就職活動も始まり、新入社員が入社してくる季節がやってきましたね。
しかし、せっかくお金をかけて採用活動しても入った社員が続々と辞めてしまうとお困りの企業の声もちらほらと聞こえてきます。
新人の離職を解決するにはどうしたら良いのか。
答えは、新人が辞める理由にあります。

文:WAWAワーク編集部マルオ

Web社内報

本当に、最近の若者はヘタレなのか?を考える

最近の若者は根性がない!これだからゆとりは!
…そう言いたい気持ちはわかりますが、まずは本当にそうなのか?を考えてみます。

厚生労働省は、学歴別の『卒業後3年以内の離職率の推移』という統計を発表しています。

これによると24年度の大卒の三年後の離職率は32.2%です。
大卒の三割が三年以内に辞める、という話は人事担当の方なら一度ならず耳にしますよね。
ではこの数字は増えているのか、グラフを見てみましょう。

増減を繰り返していますが、ほぼ横ばいです。
統計が62年からしかないので、
「いや、我々昭和の若者は違った(ハズ)なんだ!」
という主張ができる余地はありますが、そこはわかりません。

平成3年から6年、平成21年の離職率が低いように見えますが、この時期はバブル崩壊、リーマンショックという二大事変の後ですから、何となく合点がゆきます。
しかしその他の時期は、バブルまっただ中でも就職氷河期でも、一貫して30%前後の離職率です。

なぜすぐ辞めるのか?退職時期から理由は大きく2つ

すぐ辞めると言っても期間は様々。
入社して数週間と三年後では、それぞれ退職理由が異なるはずです。
ところが、退職者がしっかり理由を話してくれないことも多いのです。

エンジャパンが、サイトユーザー1,515名に行ったアンケート
退職理由のホンネとタテマエ」では、
ホンネとは異なる退職理由を会社に伝えたと答えた人が47%。
約半数の人は、円満退社のために「家庭の事情」などウソをついたと答えているので、本人の言葉も鵜呑みにはできません。

私は求人媒体の担当者さんとお話しする機会がよくあるのですが、
退職理由については皆さん同じように分析されています。

それが以下です。

入社半年未満の離職。ミスマッチングが原因

「思ってたのと違う」というやつです。
入社後のフォローに力を入れているエンジャパンの担当者に聞いたところ、解決策はシンプルでした。

最初から事実をわからせておけば、「思ってたのと違う」にはならないというのです。
期待するからガッカリする。
事実を事実のまま一度受け止めてもらえば、「自分の理想」と多少違っても、
間違えた、裏切られた、という感覚にはなりにくいそうです。

そのためには、入社前のコミュニケーションが大切。

具体的には、配属先となる部署単位での説明会を開く、直属の上司や先輩との小さな懇親会を開くなどして、リアルな情報を与える機会を積極的に作ることが効果的だそうです。

三年経つと…人間関係がこじれてくる!?

中途採用の面接で、二〜三年で辞めた方に退職理由を聞くと、
「経験を生かして新たな挑戦をしたかった」、
「体調を壊して仕方なく」
が多い印象ですが、ホンネは?

先ほど挙げたエンジャパンのアンケートでは、ホンネの退職理由というデータもあります。

第一位は人間関係(25%)、
第二位は評価・人事制度(12%)、
第三位は社風や風土、拘束時間、給与(11%)
です。

ちなみに、仕事内容は8%、体調不良は2%。

第一位の人間関係にショックを受けますね。
これは退職者個人の問題と言うよりも、組織の問題…いや、上司の問題かもしれません。
管理職にある人間は、部下の離職を防ぐためのマネジメントをしっかりやる必要があるのです。

離職を防ぐマネジメント

「給料を増やす」というのは離職を防ぐ良い方法のように思えますが、まるで現実的ではありません。
給料が1万円、2万円上がったからと言って、
一生会社についていきます!
やる気が倍になりました!

なんて人はいないからです。
おそらく、倍額払ってもやる気と生産性は倍にはなりません。
そもそも、離職の理由第一位は「人間関係」です。

では上司は何をしたら良いのか。OJT制度、外部メンターによるセミナー、叱らず褒める、第三者として人事担当がフォローなど、色々な方法がありますが、まずはチーム内のコミュニケーションを図ることが第一。
人間関係の問題は、人間同士でしか解決できないからです。

チームのパフォーマンスを持続するために

まずは早期離職が、最近の現象ではなく普遍的な問題であること、
原因は退職者個人ではなく組織にあること、これを理解しましょう。


少子化に伴って、求職者の売り手市場は今後ますます加速します。


Web社内報

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