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モチベーション低下の7つの要因とその対策

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少子高齢化問題で、労働力人口が減ります。つまり社員が減るということです。

社員が減った分を、他の社員がカバーする。とても現実的ではありません。
社員が減っても売上を維持するためには、生産性を上げることを考える必要があります。

今日は生産性と密接な関係にあるモチベーションの説明と、そのモチベーションが下がる原因と対策を紹介します。

文:WAWAワーク編集部 原川

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生産性を上げなくてはいけない理由

日本の生産性が低い。そういう話しを聞いたことがありますか?

日本生産性本部が、2017年12月21日に発表した”2016年の日本の1人当たりの労働生産性”では、OECD加盟国35か国中の21位という結果でした。
http://activity.jpc-net.jp/detail/01.data/activity001524/attached.pdf

ここでいう「生産性」とは、労働時間単位でどれだけの成果が得られたかということです。つまり、生産性が低いということは、労働時間は多いが儲けが少ない、ということです。

さらに日本は世界に例が無いほど、少子高齢化が進行しています。人口が減少するということは、社員が減ることに繋がります。

100人いた社員が90人になった。それでも売上は前年並みに上げる必要がある。
生産性を変えないことが前提なら、残りの90人でいなくなった10人分の労働時間をカバーする必要があります。

ただ生産性を1割上げられれば、90人が同じ労働時間で99人分儲けられます。
2割上げられれば、108人分です。

生産性を上げることが今後の企業では重要になってきます。

この生産性ですが、社員のモチベーションとの関連性が強く指摘されています。
今、生産性をあげようと躍起になっている多くの企業で、社員のモチベーションアップに取り組み始めてます。

あなたの会社ではどうでしょうか。今回は、生産性とモチベーションの関係性について考えてみます。

社員のモチベーションと生産性の関係

あなたは、「やる気の公式」というものを聞いたことはありませんか?

【やる気の公式】
成果(生産性)=能力×やる気(モチベーション)

社員一人ひとりが持っている「能力」と「モチベーション」を掛け合わせると「生産性」になります。
同じような能力を持つ社員を比べた場合、高いモチベーションを持つ社員のほうが高い生産性をもたらすということです。

社員一人ひとりのモチベーションをあげるということは、少ない労働時間内に(残業を減らして)多くの成果を得る(生産性を上げる)ということです。

社員の持つモチベーションの高さで組織が変わる

高いモチベーションを持っていると以下のような状態に、低いと逆の状態になります。

・仕事の質や効率が良くなり生産性があがる
・意欲を持って新しいことにチャレンジできる
・仲間や周囲に気配りができる
・チームが一丸となって仕事に取り組む
・職場の雰囲気が明るくなる
・会社へのエンゲージメントが高まる
・離職率が低くなる

社員一人ひとりのモチベーション向上に取り組むことで、結果として「生産性」の向上と残業時間の減少に繋がります。

社員のモチベーションが低下する7つの原因と取り組みについて

社員がモチベーションが高いか低いか、今現状を客観的に知ることが大切です。

外部カウンセラーや、匿名のアンケートなどで従業員に聞き取ることも重要です。
社員が何に満足しているのか、何に不満を感じているのか、可視化しましょう。

また、モチベーションが低いと判断される場合、その原因や理由を知っておくことが大切です。

1.上司とのコミュニケーションに問題がある/職場の人間関係や風通しが悪い

上司と部下の間に信頼関係が築けていない。
コミュニケーションがうまくとれていない。
このような人間関係における理由から、モチベーションの低下につながることは多くあります。

社内のコミュニケーションを活性化し、風通しの良い職場環境を作るといった社内の人間関係を円滑にする取り組みは大切です。

社会心理学では表情や気分、雰囲気は同じ空間を共有する人に伝染するという理論があります。良い上司のもとには良い部下が育ち、良い雰囲気の職場では良い感情で仕事に取り組むことができるでしょう。

また、悩みを相談できる、愚痴をいうことのできる、そういう理解者の存在はとても大きいものです。理解されていると感じることができればモチベーションも向上します。

コンプライアンスの相談窓口を設けたり、社員の満足度調査を実施したりと社員の不満を受け止める体制もモチベーションの向上につながります。

2.仕事に対して自信がなく不安

仕事の失敗が続く。
なかなか成果をあげることができないでいる。
それが続くと、だんだんと自信が持てなくなり、ネガティブな感情を抱くようになります。

自信が無いと、前向きにチャレンジしようという気にはなりません。つまり、モチベーションは下がりますよね。

業務の失敗は、マニュアルやチェックリストを整える、という手段になりがちですが、もちろんそれも重要ですがそれだけでは自信をつけるということにはなりません。

自信をつけるには、成功体験や達成感を持ってもらうことが重要です。
例えば、大きな目標の手前に、いくつかのマイルストーンを目標として置くようにする。そのことで、マイルストーンをクリアするたびに、小さな成功体験や達成感を積み重ねていくことができます。

成功体験や達成感は、そのまま自信へつながり、前向きな姿勢つまりモチベーションアップにつながります。

3.仕事の目標が明確でない/適正でない

何のための仕事なのか、目標が何かわからず不明瞭。
目標はあるが、スキルや要望にあっていない不適正なものである。
そういった時にもモチベーションは下がります。

ここでは、はっきりとした経営理念や部門・チームの目標、方針をしっかり浸透させることが大切です。
経営の目的をはっきりさせ、組織としての目標やあり方を明確化させることで判断基準がはっきりします。

組織の目標はチームの目標になり、社員一人ひとりの目標となります。

最近ではKPIなどといった指標で目標を明示することも多くなってきました。同じ目標のもとに考え方を共有する。そのことで共有する者同士のつながりや所属感ができます。

「同じ旗の下に」という感覚です。

4.成果をあげても評価されない

正しく評価されていないと感じている。
どんなに仕事に励んでも、その努力や成果について正しく評価されなければモチベーションは低下します。
ここでは、誰もが納得する評価の仕組みが大切な要素となります。

経営理念、部門・チーム方針に沿った「目標と達成度の可視化」「明確な評価制度」が重要です。不平等感が生まれないように、誰もが納得する仕組みでフェアな評価がなされていることが大切です。

中には、周囲から見ると正当な評価であるのに「自分は正当な評価をされていない」と感じている社員がいるかもしれません。

そういうギャップはお互いに不幸です。
会社・組織が評価する基準を明確化し、自己評価との間にどれだけのギャップがあるか、どうすれば評価されるのか。そのあたりをキチンと理解してもらう必要があります。

5.仕事そのものに魅力が感じられない

簡単で単調な仕事や、毎日同じような仕事の繰り返しである。
生産性のない仕事である。
また、社員の持つ知識やスキルにあっていない仕事、もしくはまったく希望と違った人材配置であるとき、仕事に対しての関心は下がりモチベーションの低下につながります。

業務の内容によってはどうしても簡単で単調なルーチン仕事になってしまうこともあるでしょう。
そういうときこそ、しっかりとした目標の下に考えが共有されているとモチベーションの維持につながるのではないでしょうか。

お互いに成果を共有し、設定した目標に達成したときにはその成果をぜひお互いに褒め合ってください。

成果を認め合い褒め合うことで「また頑張ろう」という気持ちになりますし、「自分も頑張ろう」という気持ちになるでしょう。

6.ストレスや疲れ

「オーバーワーク」が続き過労状態になれば、モチベーションの低下につながります。
十分な休暇や休息を取ることができない状態は、心身にも影響が出ます。

それぞれ抱えている仕事量についても共有し、社員ひとりに仕事が集中することのないようにチームで取り組む姿勢が大切です。

7.労働条件や環境が悪い

労働時間だけではなく、給与や待遇といった労働条件や労働環境が悪い場合にもモチベーションは下がります。

労働条件については、各社それぞれあると思いますので、なかなか指摘はできませんが、働きやすい環境はある程度整備できます。

空調、机、装飾品、部屋のレイアウト……。物理的な環境を、働きやすいように整えていくことは、可能です。
さらに上を考えるのであれば、それだけでなく、もう一つ考慮してください。それが、「適切なコミュニケーションが交わせる環境」です。

個々のスペースが大きく取られ快適になったものの、コミュニケーションをとる機会が少なくなり、結果的に徐々に働きづらい会社になった例もあります。
環境を整える際は、コミュニケーションも考慮してみてください。

さいごに

社員がモチベーションを上げることは、生産性の向上につながります。
また組織活性化のためには、社員一人ひとりのモチベーションを向上させることが重要です。

モチベーションとは他人から与えられるものではありません。
社員一人ひとりが自律的に向上し、維持し続けることが重要です。

社員一人ひとりの自律的モチベーション向上と維持を考える際、多くの場面で出てくるキーワードは「コミュニケーション」という言葉です。

日本人は和を好みます。ビジネスの場においてもチームワークは大切です。
社内で、どうやって良好なコミュニケーション環境を整えるか。まずはそこを検討してみてはいかがでしょうか。


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